アジア

バーミヤン

バーミヤンの遺跡

中央アジアに位置し、ペルシャ(現在のイラン)、インド、トルコなどの影響力のある文明に囲まれてきたアフガニスタン。

「文明の十字路」と呼ばれ、様々な民族の往来により複雑に混じり合う宗教や文化は他国に比べ類稀なものを持っています。

西部からはヘレニズム、ペルシャ文明の影響を受け、北部からはウズベクタジク民族とモンゴル軍が到来し、中世にイスラム化したと言われています。そして、仏教が栄えていた時代もあるのだとか。

そんなアフガニスタンでも有名なのが、バーミヤンの仏教遺跡。

バーミヤン基本情報

バーミヤンはアフガニスタンの首都カブールの北西約240kmに位置する、標高2500mほどの東西に長い渓谷に位置しており、北にヒンドゥークシュ山脈の支脈であるコーイ・ホジャガール山脈を、南にコーイ・ババ山脈を望む盆地となっています。この地は古来シルクロード(中国と地中海世界の歴史的な交易路を指す呼称)の重要な拠点として発展してきました。仏教時代の商人は旅の安全を祈願して、ここでお布施を行っていたといいます。

小さな町の中心にはバザールがありますが、現在、電気やガス、水道などのインフラは通じておらず、交通機関は増えてはいるものの、疎らな状態となっているようです。

観光スポット

バーミヤンの仏教遺跡

バーミヤンの遺跡出典http://whc.unesco.org

渓谷の北側にそびえる絶壁1300mにわたって、約750もの石窟が造営されており、その東西に旧政権タリバンによって2001年に破壊された西大仏(高さは55m)、東大仏(高さ38m)が立っています(下の写真が西大仏)。

バーミヤンの西大仏出典:https://www.khanacademy.org

現在は世界遺産の危機遺産リストに登録されています。2013年9月には、日本人の考古学専門家が新たな石窟を発見して話題になりました。

日本とアフガニスタンの保全プロジェクト出典:http://whc.unesco.org

現在もユネスコや各国の遺跡保存修復家により遺跡の修復・保存作業が進められており、新しい発見もされているようです。今後、遺跡に秘められた謎が解明する日も、そう遠くはないかもしれません。

2013年11月現在、修復作業が終了した東大仏の周辺の石窟は、一部入場可能となっており、残された壁画の一部を見学できるようです(入場券として、共通券7$/1日が必要)。

バーミヤンの景観出典http://whc.unesco.org
バーミヤンの壁画出典:http://whc.unesco.org

渡航の際には細心の注意を

爆弾やテロや誘拐が多発しているアフガニスタン。

治安が悪化していることは否めず、つい最近でもアフガニスタン南東部で政府軍とタリバンが衝突し、死者300人超がでるという事件が起きてしまいました。

未だ、内戦中に埋められた地雷が残っているため、出歩く際には現地人に確認して行動することも必要です。

その他、乾季は砂が舞いやすく、待ち全体が土埃に覆われることもあります。空気も乾燥しているため、熱中症対策にこまめな水分補給も忘れないようにしましょう。