TBS系の人気番組「クレージージャーニー」で丸山ゴンザレスさんが取材していたトンド地区。
世界的に有名な貧困地域で、東洋一のスラム街と言われています。
フィリピンの首都マニラの北西部に位置しているトンド地区は、マニラの空港から車で約30分の場所にあります。
空港からトンド地区に近づくにつれ、街の雰囲気はやや煤けた感じになってきます。

ーーーー 以下、番組内で放送されていた内容をベースに記事を書いています。 ーーーー
「そもそもそのスラムがどんな場所でなにがあるのか肌で感じたいし、目に入るものはすべて抑えたい」と言う丸山ゴンザレス。番組内でもかなり踏み込んだ取材をしていました。
スラムの治安はもちろん良くはありません。カメラなども高級品なので、カメラマンも気をつけるように言われていました。
インフラが壊滅的にダメなのがスラムです。
住まいも掘っ立て小屋のようなものが多いようでした。
トンド地区の名物?料理
そんあトンド地区を歩いていると、パクパクという食べ物を売っている女性に出会います。このパクパク、なんとファーストフードの残飯を調理したものです。

つまり、パクパクの作り方はこんな感じ↓
★パクパクができるまで★
- 【仕入れ】残飯をゴミの山から拾ってくる
- 【調理】鍋に詰め込んで調理する
ゾッとしますよね・・・。1ピース約10円で販売されています。
もしかしたらトンド地区名物かもしれないので、トンド地区を訪れた際に是非どうぞ。。。
そんなヤバい食べ物を食していると、何やら食べ物を売っているおじさんが「めちゃくちゃ美味しいから食べていけ」と声をかけてきました。

持ち歩いている鍋の中には豆腐のような食べ物が入っていました。その豆腐のような物をカップにいれて、シロップをかけてデザート風にした感じの食べ物でした。
衛生面をあまり気にしないで食べるゴンザレス。これは意外と美味しかったようでした。
豆腐のデザートは約27円くらいみたいです(高いのか安いのかわからない)。
その後もドブ臭い食べ物など食べるゴンザレス。やっぱりスラムということで、美味しい食べ物はなかなか無いみたいですね。
その後もトンド地区を突き進むゴンザレス。
大通りには、脱水せずに水を滴らせながら、雑多に干されている大量の洗濯物の光景が広がっていました。

そんな時、突如銃声のような音が響き渡ります。
突然の音に怖がるカメラマン。しかしスラムの住人は地面に伏せたりもしないどころか、笑みを浮かべながらこちらを見ている様子もあります。ゴンザレスいわく、おちょくられているか、威嚇されているんだろうということでした。
スタッフかわいそう、、、(笑)
その後、トンド地区の生活を見てみたいと言っていたゴンザレスは、家の中を見せてくれる家族を探して路地を突き進みます。「子どもがいると犯罪的なことが置きづらい」と言うゴンザレスは、子どもを連れている女性に声をかけます。旦那はどこにいるかと聞くと、旦那さんは家の入口のすぐそばで横になって寝ていました。
その旦那さんはゴミ拾いの仕事をしているそう。実は、このゴミ拾いという職業はスラム街では定番のお仕事だそうで、スラム住民の約7割が「ゴミ拾い」で生計を立てているそうです。
ちなみに、この旦那さんのごみ拾いによる収入がどれくらいかというと下記になります。
マニラ首都圏の最低月収:約3万円
旦那さんの月収 :約4,500円
首都圏の最低月収の約1/6の収入ですから、スラムにいる人々がいつまでも貧困層から抜け出せないのも納得です。
ゴンザレスが家の中を見せてもらいたいと言うと、女性は快く了承してくれました。
家の中に入ると天井はかなり低く、非常に頼りない感じでした。頼りなさの度合いで言うと、サンシャイン池崎の実家の玄関ぐらい頼りなかったです。

床や壁もゴンザレスが入ると揺れていました。しかも3畳のスペースに家族が9人で生活しているそうです。
ここでゴンザレス、スタッフ一同がスラムの住まいに衝撃を受けながら取材を続けていると、背後からスラムの女性が突然、スタッフのスマホが入っているポケットに手を突っ込むシーンがありました。やっぱりスタッフかわいそう、、、。
いつ何が起きてもおかしくないスラムの雰囲気。次に、ゴンザレス一同は真っ暗な集合住宅の中へ足を踏み入れて行きます。
大丈夫かと心配するスタッフ。建物の中はかなり真っ暗。しかし、中にはお店もあって、鉄格子で守られており、防犯がしっかりしている様子でした、、、。
【老舗】トンドの水上スラム
集合住宅を出て次にゴンザレス一同が向かったのは、水辺に浮かぶスラム。

水上スラムの住居は、水辺に柱を無理やり立てて、その上に家を立てているという、なんとも粗末な作りになっています。
ここでも、許可をもらって家の中を見せてもらうことができました。水辺に浮かぶ家の床は板を渡しただけで、少し沈むと、その隙間から海が見えます。
どうしてそんな簡素な作りなんだと聞くと、我慢するしかないと言っていました。
更に驚きなのはトイレ。ボットン式なのですが、海に直結型でした。つまり、そのまま海に垂れ流すって感じですね・・・。
海の水は洗濯とかの生活用水として使ってるんじゃないの??と少し怖くなりました。
ちなみに取材させてくれた家族の住まいには家賃は無いようで、昔4万くらいで家を買ったそうです。
昔賃貸で住んでいた家を以前追い出され、もらったお金と、ゴミから集めた綿で枕を作り、そこで得たお金を家の購入資金にあてたのだとか。
陸上のスラムでも、水上のスラムでも、スラムではゴミを中心にして生活の糧を得ているということがわかります。
過酷な現実ですね。スラムは水辺にできやすいようです。その理由は、やはり水辺の水を生活用水として使えるためだそうです。お金の無い人たちが真っ先に建てるんだとか。
そういう理由で、この水上スラムはトンドの中でも老舗的な存在になっているようです。
その後もスラム内部に次々足を踏み入れるゴンザレス・・・
スラム住民の仕事場「ゴミ山」
街を歩いていると、大規模なゴミ山が見えてきました。
その量は半端無く、遠くからでも強烈な異臭がするほど。

よく見ると、ゴミ山のすぐ隣には住居もあるようです。
近づいてみると、ほんとに普通に家になっていて、寝ている人や、暮らしている人がいる様子で、それまでのトンド地区とは一味違った光景が広がっています。



ゴミの山を見て歩くゴンザレス。この光景は流石のゴンザレスでもすこし参ったようで、ゴミ山を抜けて一言。
「結構すごかった、、今まで見た中でも最上級にすごかったです。」
臭いも相当きつかったようでしたし、少し疲れてしまったようでした。
トンド地区の闇の部分
それまでかなり踏み込んだ取材をしてきたゴンザレスですが、トンド地区で気になっていることがあるようで、
「全然スラムの闇の部分に触れられてないんですよ」
と言っていました。なにやらトンド地区について色々な噂を聞いているようで、犯罪とか違法性のある仕事をしている人など、その辺りの情報を確かめたいようでした。
スラムの闇に迫りたいゴンザレス、通訳を通じて現地の若者と接触を試みます。
こちらをちらちら見ている無職の若者に声をかけました。
「犯罪とか違法な事に関わっているような人とか、何でもいいんで情報とか知らないですかね」
そうゴンザレスが問いかけると、
「知らないな、知ってても言わないよ」
そりゃそうだって感じですよね。仮に知ってたとしても、カメラを持った人間に話した所で自分がどんな目にあうのかわからないですし。
その後もゴンザレスはなにか知っていそうな住民に声をかけてまわります。しかし、手がかりを得られないまま、1時間が経過してしまいます。
めげずに、路地裏に座り込んだ若者に声を掛けるゴンザレス。
「どんな情報でもなんでもいいんで、ちょっと教えてもらえないですかね」
ゴンザレスのこの問いかけに、
「カメラの前で言うのは嫌だ」
と、それまでの男たちと同じこと言って断ろうとする若者。
どうしても闇の情報を聞き出したゴンザレスは、
「ちょっとカメラどけもらって、、交渉したいんで、離れててもらっていいですか。」
とカメラマンをつき離します。
この作戦が成功します。落ち着いた若者は闇の情報について話はじめました。
「内蔵を売った人がいる」
「マジっすか?内蔵を売った人の情報を持っている?」
すこし興奮気味に、しかし冷静に情報を聞きだそうとするゴンザレス。
「顔も映さないし、お礼もお支払いしますから、その人の所に連れて行ってもらう事ってできますか?」
そうして交渉を続け、、、取材した若者からOKが出ました。
フィリピンで臓器売買があるという話は聞いていたが、まさか本当にあるなんてちょっと驚きだというゴンザレス。
臓器を売った人物と対面
その人物は今もトンド地区に暮らしているということで、ゴンザレス一同は取材した若者とともに、臓器を売った男性の家へ歩いて向かいます。
臓器を売った人物はどんな所に住んでいるのか、、、めちゃくちゃ怪しいところに住んでいるのでは、、、と思いましたが、意外にもその人物の住まいはスラムのメインストリートに面していました。

はたして、臓器を売った人物とは?
少し待っていると、家の中から人物が出てきました。若者が事情を説明します。臓器を売った男性は、素性を明かさない条件で取材に応じてくれました。
「あなたが内蔵を売った事があるって聞いたんですけど本当ですか?」
「本当だ」
「ちょっと傷って見せてもらっても・・・」
そうゴンザレスがお願いすると、男性は服をめくりあげてお腹を見せてくれました。
かなり雑に処置を施された後が残るお腹
とても医者が処置を施したとは思えないショッキングな映像でした、、、。
「どういう経緯で内蔵を売ったんですか?」
「事故で入院した時に金がなかったから、腎臓を売って足しにしたんだよ。」
そう答える男性。お金が無いからって自分の臓器を売るなんて、、、と悲しい気持ちになりました。
さらにここで、驚愕の事実を耳にすることになります。
「(臓器を)売る時って病院とどういう約束をするんですか?」
「お金がなかったから医者の方からすすめてきた。」
「いくらで売ったんですか?」
「だいたい30万円だ。」
「なんかちょっとすごい話ですよね。」
「医者が内臓売りませんか?って言ってくるなんて正直ビックリしましたね。」
「もういいだろ。」
そう言って、男性は家の中への帰って行きました・・・。
医者の方から臓器売買をすすめてくる。そんなことってあるんですね。しかもたったの30万だなんて。
なんだかトンドスラムの人の弱みにつけ込んで、医者が臓器売買ビジネスをしているみたいで、辛い気持ちになりました。