アルバニア

ティラナ

東ヨーロッパのバルカン半島南西部に位置する共和制国家アルバニア。

日本人の99.5%は生涯を通じて訪れることのない国だと言われています。

そんなアルバニアはツッコミどころの多い国として知られています。

◼️ツッコミどころ①「1990年代までの鎖国」


この国は1978年〜1992年まで鎖国をしていました。

筆者はが生まれる一年前まで鎖国していたんですね、、、。

江戸時代ににおける日本の鎖国は、中国とオランダ以外のすべての国との国交を断絶していたようですが、ここアルバニアでは完全にすべての国との国交を断絶していたようです。

それはアルバニアの独裁者「エンベル・ホッジャ」が自分の方針を貫き通したことにあるようです。

出典:https://ja.wikipedia.org/

ホッジャさんは旧ソ連の指導者、スターリンを賞賛していました。

その影響で、隣国のユーゴスラビアがコミンフォルム(共産党の指導者達の会議)を脱退した際には国交を断交。さらにソ連、中国など、スターリンを批判するような態度をとった国との国交を断絶していきました。

その後もかつての同盟国や援助国とことごとく決別した結果、アルバニアは世界中から孤立し、事実上の鎖国状態に陥って行きました。

そしてここから、「ヨーロッパの北朝鮮」とも呼ばれる所以となる政策が始まります。国内ではソ連を「仮想敵国」とした極端な軍事政策が敷かれるようになりました。国境は閉鎖され、国内全土には「シグリミ」と呼ばれる秘密警察が配置されました。

国民は世界最後の純粋な共産主義を貫きとおすよう国家によって「洗脳」され、いざというときには全員が戦えるように銃器が支給されました。

アルバニア中に残るトーチカ(コンクリートで堅固に構築した陣地で、戦線に点在するもの)があるのも、この軍事政策の一環です。1970年代から80年代初頭まで、国内全土に造られたようです。

しかし、こうしたトーチカなどが実際の戦争に使われたことはありませんでした。

出典:http://shuutak.com/

今日ではそれらの軍事の為に費やした投資は無駄だったものと評価され、「負の遺産」と考えられているようです。

◼️ツッコミどころ②「世界初の無神国家」


過去にアルバニアはオスマン帝国に制服された歴史を持つことから、イスラム教徒が多かったようですが、これが国家の力によってねじ伏せられてしまったようです。

ソ連と国交を断絶して中国接近している頃、中国で資本家を排除して宗教を否定するという、完全な共産主義国に近くための革命が起きました。

これに影響を受けたホッジャが「無神国家」を宣言しました。

出典:https://chr1salbo.deviantart.com

昔、バックパッカーをしているころに「お前の宗教はなんだ?」と外国人に聞かれたことがあります。

特に自分の宗教なんか無いと思いましたが、言うなれば「仏教」かなと思い、「Buddha」と答えました。外国では自分の宗教を持っていないことは、とても恥ずかしいことと考えられているようですね。

◼️ツッコミどころ③「ネズミ講による経済破綻」


鎖国を続けていたアルバニアですが、1992年に共産党から民主党へ政権が移ります。

これによりついに鎖国が解除され、外国から色々なものが入ってくるようになります。それまで見ることのできなかった商品や食べ物をみて、国民は驚いたそうです。(なんだか、この手の話を聞くと「恥ずかしながら帰ってまいりました。」の横井庄一さんを思い出します。)

この時、鎖国から解放された国民は情報を制限されていた影響から、金融に関しても一切の知識を持っていませんでした。そこに目をつけたのがネズミ講の会社。

出典:http://netde-suroulife.com/

ここでいうネズミ講が本当にネズミ講なのか、ネットワークビジネスのことを言っているのかわかりませんが、いずれにしてもこれらは紹介によって成り立つビジネス。

新規参入者(自分の配下となる紹介者)を増やすことによって、紹介した人が特をし、新規参入者が損をしていくビジネスです。

このビジネスで稼ぐためには、とにかく巧みな話術やアプローチを使って一般人に興味を持たせ、誘致すること。それも、一人二人では紹介者も損をしてしまうので、仕事終わりや休日を返上して、参入者はこのビジネスを必死にやらなければなりません。止まっている暇は無い、走り続けるのです、、、。

そんなこんなで、鎖国から解放されて情報が少ない中、飛びこんできた美味しい話に飛びついた国民は、必死にこのビジネスをしました。

なんと、最終的には国民の大半がねずみ講に加入していたとされています。

1997年、ネズミ講が破綻すると、投資金の返還を求めて市民が大暴動を起こし、米軍やNATO軍が出動する騒ぎになりました。

◼️アルバニアの首都「ティラナ」


20年以上前まで鎖国を続けていたアルバニアの首都ティラナですが、現在では当然のように海外の文化に触れているので、カフェやレストラン、ホテルなどが増えているようです。

また、ティラナの主張は元建築家。

共産主義時代のくらい街並みを変える為、街の建物にカラフルなペイントがされている風景もみることができます。市長の働きかけにより、貧しい街だったティラナは年数をかけてアートな街並みに変わっていったようです。

出典:https://twitter.com

また、最近ティラナを訪れた友人によると、これといった見どころはないものの、前述したカラフルな街並みはもちろん、地元のやんちゃボーイズと一緒になってピラミッド(有名な廃墟、下の画像)で遊んだりして楽しかったとのことです(笑)

出典:https://ru.wikipedia.org/

今では時代の面影も薄れていき、観光しやすい場所となっているようですよ!