ジョージアの北西部、スヴァネティ地方の中心都市メスティア。
「復讐の塔」で知られる、ロシアの国境にほど近い田舎町です。
この街には復讐の塔と呼ばれる塔が街にいくつも建っています。

昔この街には血の掟があり、親族の誰かが危害を受けたら街のみんなで必ず復讐するという風習があったのだとか。
家族を守るため当時は一週間ほどこの建物にこもったそうです。中は5階建てほどになっています。意外と大きかったです。
この街ではトレッキングを楽しむことができます。
トレッキングコースは街から街から小さく見える、山の上にある十字架を目指すコースが往復5時間。
さらに山を登った所にある湖を目指せば往復8時間、、、。

私がインフォメーションセンターでこれを知ったとき午前11時でした。
もっと早くこりゃよかったよ、と思いましたが、湖を目指すことに。

十字架までの道のりは結構長かったです。正直カズベキの時と同程度だろうとかなり気が緩んでいました。
この気の緩みが後に痛い目をみることに、、、。
水も500ml一本しか持って行ってなかったんですよね。山に登れば水飲み場がきっとあるだろうと思って。
ちなみに、上記のアバウトな地図で迷うんじゃないかと初めは思いましたが、歩いていると頻繁に目印のこのマークが石や木に描かれているので、確信を持ちながらトレッキングすることができます。

十字架までの道のりも、後ろを振り返れば気持ちのいい山の景色を楽しめます。


結局1時間半で十字架付近にある高台まで辿り着きました。

高台から見る街の景色はかなり壮大でした。街以外の方を眺めても、絶景しかありません。そして十字架、めちゃおっきかったです。街から見るとかなり小さかったんですけどね。





はい、ここから湖を目指します。湖、、、きっと壮大なんだろうな、、、。
このとき既に水は無くなっていました。
ここまで1時間半できたので、きっと湖までは1時間で着くはずだと。
ついでに高台にいたヨーロピアンが、「湖の場所にはきっと水飲み場があるんだろうなあ」と言うので、きっとそうなんだろうと、さらなる登頂を決意しました。


さらに登るにつれ、ここで予期せぬ事態が発生します。
虫です。虫がすごいんです。
高台を出て数分した後、アブの様な虫とハエが大量(数十匹くらい)が常に羽音をたててまとわりつきます。
※筆者はちゃんと体を洗っています。
黒い服を着てたからかな?とか色々考えましたが、どう抵抗しようと、離れずまとわりついてくるのでかなりイライラします。
しかも噛むんですよ。チクっとしますよ。標高も高くて少し登るだけで息切れします。休憩もしたいのに、じっとしているとすぐに虫が噛むので全然休めません。虫に抵抗するだけでも息切れします。笑
これがかなりしんどかったです。少し暑いかもしれませんが、長袖の方がいいかもしれませんね。
それにしても、1時間以上歩けど、湖が見えてきそうな雰囲気は微塵もありません。水飲み場もありません。ただ、景色は常にサイコーです。




登り続けて2時間経過、、、。熱中症のようにフラフラしてきたので、本気で諦めようとした時、山の上からヨーロピアン2が降りて着たので、湖までここからどれくらいかかりそうか聞くと「ワンナワー」と言いました。
まじか、、、、、、、、、、、、、、。

本当にしんどかったんです。喉も枯れていました。頭の中には濃ゆめのカルピスが何回もリピートされていて、本気で泣きそうになりました。
帰りのことも考えると、死ぬんじゃないかとさえ思いましたが、やっぱり登ることにしました。
すこしペースアップして20分後、水たまりの様なものを発見しました。

さらに登っていると、ヨーロピアン3が登場。湖はどこかと聞くと、「今、お前の目の前にあるじゃないか。」と一言。

まじか、、、、、、、、、、、、、、、、、。
しばらくリアクションできませんでした。
これのために死ぬ思いで登ってきたのかと。
そして、わずかな達成感を感じたい時にも虫の羽音がものすごいんです。笑
ですが、ここまで登ってくると周りの景色はかなりの絶景です。しばらくこの場所で休んでいると、山の絶景に少しおまけのように存在しているこの小さな湖も悪くないかなと思うようになりました。
少し休憩してから、死ぬ思いで村まで帰りました。結局街から湖まで往復6時間半でした。
ちなみに帰りに高台によったときに聞いた情報ですが、高台から湖方面に500メートルほど登り、少し道をそれた場所に飲める水が湧き出ているようです。maps.meでも確認できるようなので、この場所を訪れる際はここで水分補給することをオススメします。湖まではかなり長い道のりなので。
気温も40℃近い中で死ぬ思いもしましたが、メスティアの山から見る景色はそれまでの絶景と比べて圧倒的なスケールでした。
トレッキングは少しハードですが、また行ってみたい場所です。
アクセス
トビリシから向かう場合は、途中ズグディディという街を経由することになります。トビリシからズグディディまでは夜行列車かディドゥべ駅から朝9時発のマルシュルートカに乗って向かうことになります。
■マルシュルートカ
ディドゥべ駅→ズグディディ
所用時間:6時間弱
料金:15ラリ
ズグディディ→メスティア
所要時間:3時間
料金:20ラリ


■夜行列車&マルシュルートカ
トビリシ鉄道駅→ズグディディ
所要時間:9時間半
料金:14ラリ
ズグディディ以降は上と同じになります。上記の料金は寝台二等になります。夜行列車は結構快適だと聞きます。夜9時に出て朝の6時半着。そこからメスティアに向かっても午前中には着くと思うので、宿代も浮くしいいかもしれませんね。
宿情報
「Irma’s guest house」
個室:20ラリ
WiFi有り、個室、ホットシャワー、トイレ共同
メスティアのインフォメーションセンターで勤務しているイルマさんが営んでいるゲストハウスです。街の中心地から少し離れた場所にありますが、共有スペースから復習の塔がライトアップされているのを見ることができます。イルマさんは英語がかなり話せます。メスティアの観光について、宿にいながらなんでも質問することができます。日本人のことは好きだと言ってくれて嬉しかったです。5ラリ料金を上乗せすれば朝ごはんも出してくれます。



街のインフォメーションセンターに行くと、イルマさんが働いていました。

WiFi有り、共有キッチン有り、ホットシャワー、トイレ共同
メスティアの中でもかなり安い宿になります。