イタリアの田舎町に、絵本にでてきそうな建物が立ち並ぶ世界遺産の街があります。
アルベロベッロというこの街では、「トゥルッリ」と呼ばれる建物が美しい景観を誇っています。トゥルッリとは「部屋一つ屋根一つ」という意味で、白い壁に円錐型の屋根がついたその家は石灰で仕上げられています。そんなシンプルな作りになっていることから、玄関や廊下はありません。そんなトゥルッリがこの街には約1500軒立ち並んでいます。



アルベロベッロというこの街には、古くから建物が立ち並んでいましたが、15世紀以降モルタルを使わずに石灰を使ったトゥルッリの家を建てるようになりました。1996年、ユネスコ世界遺産に登録されました。
街全体は半日もあれば周って見ることができます。
ちなみに現在でもトゥルッリに住んでいる住民もいます。お店を開いたり、石で作ったアクセサリーを販売しているお店もあるようですよ。


トゥルッリの屋根には石灰で宗教的な絵が描かれています。

これは古くから代々受け継がれているもので、魔除けの意味が込められているものらしいです。
そして、なぜ建物がこんな形をしているのかについてですが、元々は税金対策のためという歴史的背景があるようです。
昔この地域では家の数だけ税金を取るという制度がありました。
役人が取り立てに来た時に屋根だけ直ぐに取り壊し、「これ、家じゃないから!」と主張できるように、このようなシンプルな形にしたようです。
まぁ、若干のそれで誤魔化せたのか感はありますが、この説が有力みたいですね。
気候が温暖な南イタリアでは、春先から秋までが気候も良く、ベストシーズンは4月から11月といわれています。
ここにこれば南イタリアの一風変わった雰囲気を味わうことができます。
主要なローマといった街から少し足を伸ばして訪れてみてはどうでしょう。

アクセス
ローマからアルベロベッロへ向かう場合は、途中バーリという街を経由します。ローマから一気に移動すると電車で約7時間かかるので、途中バーリを観光して宿泊することをオススメします。バーリは南イタリアの玄関口とも言われており、アルベロベッロやマテーラなどの観光地にアクセスしやすい上、宮殿や遺跡、夜景など見所の多い街なので十分寄り道する価値のある場所です。ちなみに、バーリからアルベロベッロまでは電車で約1時間半になります。

宿情報
アルベロベッロではトゥルッリの外観のホテルもあります。場所によっては少々お値段がはりますが、記念に泊まって見るのもいいかもしれません。
一人部屋:42~54ユーロ
二人部屋:60~80ユーロ
三人部屋:75~99ユーロ
四人部屋:90~116ユーロ
五人部屋:100~130ユーロ
無線Wi-Fi、シャワートイレ付き、A/C完備
上記のホテルは観光名所のサンタントニオ協会の隣に位置する協会で、アルベロベッロを観光するのには最適な場所になります。外観はトゥルッリですが、内装は現代の技術を取り入れた快適な空間になっているようです。

一方、比較的低価格で泊まれるトゥルッリもあります。アルベロベッロの中では最安の方ですが、内装もキレイで文句なしのオススメ宿です。
「Trullieu Guesthouse Alberobello」
立地も最寄り駅とアルベロベッロの中間地点というどちらにもアクセスしやすい場所にあります。